12月8日(日)に自然教室「アニマルボーン!」を実施しました!
みなさま、こんにちは!
12月に入り気温が下がってきましたね。
山の中にあるエコパ伊奈ヶ湖では、雪がちらつく日も出てきました。
ゆっくりとですが、冬の始まりが感じられます。
そんなエコパ伊奈ヶ湖では、12月8日(日)に自然教室「アニマルボーン!」を実施しました!
骨の専門家のガイドスタッフと一緒に、野生動物の頭骨の観察や実験をして、
頭骨と歯の形の意味を知る自然教室です。
まずは、今回のテーマに関係するものが入った袋に、手を入れて触って何か当てます。
中身は見ちゃダメです!
中身はなんと!ヒグマの頭骨レプリカでした!
3Dプリンターで本物よりも小さく作ったレプリカです。
ということで、今回は野生動物の頭骨がテーマです!
目の前に色んな野生動物の頭骨がズラり!
でもなんで骨の中でも頭骨に注目するのか?
頭には、耳、鼻、目、口があります。
これらは、食べものを探す・食べる、敵や獲物に気付くなど生きていくために必要なものです。
それらが1個の頭骨にまとまっているため、色んな動物と形が比べやすいからです。
さっそく頭骨で、耳に注目してみます!
頭骨の耳の穴を除くと・・
小さな骨が見えました!
耳の穴には小さな骨が3つあります!
穴の外側から、ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨といって、
これらの小さな骨が繋がって、鼓膜からの振動を内耳という部分に伝えて、
音を脳に伝えています。
この骨は爬虫類と鳥類は一つだけですが、3つもあるのは哺乳類だけです。
小さくて地味な骨ですが、哺乳類の重要な骨なんです!
耳の穴の次は、鼻の穴を覗いてみます!
頭骨の鼻の穴の中には、紙をくるくる巻いたような薄い骨があります!
この骨には臭いを感じる細胞がたくさんついています。
つまり、この骨がたくさん鼻の穴の中にあるほど、臭いを感じることができます。
鼻の穴にたくさん入るために、くるくる巻きになっています!
次は目の穴です!
肉を食べる動物と草だけ食べる動物とで、目の穴の向きを比べてみます!
そうすると目の向きに違いがあります!
肉を食べる動物は前にいる獲物を狙って追いかけるために、
目が前にむいて、2つの目で立体的に見ることができます!
ただ、目が前に向いているので横や後ろの方は見えないです。
草だけを食べる動物は、肉を食べる動物にいち早く気づけるように、
どちらかというと目が横に向いており、広い範囲を見ることができます!
ただ、目が横に向いているので、前はあまり立体的に見ることができません。
動物による見え方が分かったら、外で実験してみます!
肉を食べる動物は、覗き穴が前に向いたお面を付けます。
前は見えても、横は見ずらいです。
草を食べる動物は、鏡を顔に近づけてみます。
横や後ろは見えても、前は自分の顔が写って見ずらいです。
動物の頭骨と暮らしが分かってきたら、次は口です!
エコパには色んな野生動物が生息しているため、
野生動物の食べものを探しに森を探検します!
森の中を歩いていると、食べものではありませんが、
シカの角研ぎ跡がありました!
ちなみに、シカの角は骨でしょうか!?
じつは、シカの角は1年に1回春先に抜けて生え変わります。
頭骨の一部というよりも頭骨を土台にして生えた塊なので、
シカの角は骨ではありません!
では、ウシやヤギの角も骨ではないのでしょうか?
実際にウシとヤギの角を見てみます!
角の中身が空っぽだったり、折れた骨がぎっしりと詰まっています。
じつは、ウシの仲間の角は頭骨そのものから骨が伸びて角になって、
角のまわりを硬くなった皮膚が、刀のさやのように覆っています。
つまり、ウシの仲間の角は骨です!
中身が空っぽの角は持ち主が亡くなった後に、角から抜けたさやの部分でした。
さらに森の中を歩いていると、ネズミが穴を開けたクルミと、
リスが半分に割ったクルミがありました!
中身を食べるために、どうやって硬いクルミを削ったのでしょう?
室内で再現してみます!
ネズミやリスなどネズミの仲間は前歯と顎が大きく発達しており、
前歯でクルミを削ります!
ネズミの前歯に形が似ている彫刻刀で実際にクルミを削ってみます!
頑張って少しずつ削っていきます!
因みに、ニホンリスは上手な個体なら5分でクルミを削って半分にしてしまいます!
実際にやってみるとネズミとリスのすごさにビックリします!
ネズミの前歯を見てみたので、次は肉を食べる動物と草だけを食べる動物の歯を見てみます!
実は、草だけを食べるシカは、下あごが左右横にも動いて、葉っぱを歯ですりつぶします!
動画で顎の動きを見たら、シカの奥歯を大きく作った模型で実際に葉っぱをすりつぶしてみます。
するとゴリゴリと葉っぱがすりつぶされていきます!
自然の葉っぱは硬いため、こうやって念入りにすりつぶして食べています。
肉を食べる動物には、奥歯に裂肉歯という肉を切る専用の歯があります!
キツネの裂肉歯を大きくした模型で、発泡スチロールを切ってみます。
すると、ざっくりと切ることができました!
シカの奥歯の模型で発泡スチロールを噛ましても、潰れるだけで切ることは出来ませんでした。
これで、頭骨の耳、鼻、目、口を観察することが出来ました!
最後に、ガイドスタッフから骨マスター認定カードをプレゼントします!
名前を書いたら立派な骨マスターです!
このように、頭骨はそれぞれの動物の暮らしに合わせた形になっています。
みなさんも博物館や図鑑で動物の頭骨を見たときは、ぜひ形を観察してみましょう!
エコパ伊奈ヶ湖では、冬も自然教室が盛り沢山です!!
タヌキケーキ作り、野鳥観察会、タヌキのうんち調査等々!
みなさまのご参加お待ちしております!